午前7時、佐世保港沖の高後崎からスタート。
前夜レース主催者から「自衛隊の潜水艦が
潜航しているとの情報があるから水深計のス
イッチを入れておくように」との連絡。アメリカ
のテロ事件で佐世保からも強襲揚陸艦が
出港しているので、そんな話しも笑い飛ばせ
ない。水深計から出る音波を潜水艦がキャ
ッチしてエンジン音がしないヨットをよけてく
れるだろうという理屈らしい。スタート後しば
らくは、皆で潜望鏡はどこだとか冗談のように
話していたが本当にいたかもしれない。
明治以来の軍港・佐世保は、最近その機能をます
ます強化しているようにみえる。
6艇中、30フィートのさらくは一番小さい。
バリバリのレース艇集団は、あっという間
に遠ざかった。
さらくはもともと速いヨットではなし、順位は
どうでもいい。レースの中でヨットの性能を
最大限に引き出すにはどうしたらいいかを
考え、実際にやってみることが目的だ。クル
ーにも多少の緊張感を持ってやってもらえ
るから上達も速い。
スタート後しばらくは風力4あったからスピン
をあげなかった。風が落ちてメインセールの
リーフを解いても、天気予報を聞いて風が
強まらないと判断するまではあげなかった。
強風下のスピンランには自信がないし、クル
ーも初心者だからやむをえない。
前方に見えるのは相ノ島、
その後ろが五島列島。
高後崎と五島の間には島がいくつもあり、
岩礁のある海域もある。ほかのヨットは
その海域を避けて南へ下ったが、さらくは
あえてそこへ向かった。風が良かったからだ。
暗岩をきわどく避けるコースを取っていたら、
予想どおり水深が数十メートルから10メー
トル代まで浅くなった。計画どおりだと思って
いたら、さらに5〜6メートルまで浅くなった。
予期していなかった潮流に流されて暗岩の
近くを通過したようだ。このあたりは
潮流が速い。
六分儀の使用法を勉強中。
五島、奈良尾町沖の長ナ瀬(おとなせ)を
折り返して長崎へ向かう。長崎まで30マイ
ル以上。
折り返してからしばらくは上り、やがて風が
北よりに振れてアビームで走れるように
なった。長崎まで十数マイルというところで
東の風になり、コースを変更した。
タックしながら長崎サンセットマリーナ沖に
ゴールしたのは24日0時半。主催者の皆さん、
待っていてくれてありがとう。1位のヨットに
遅れること6時間。着順は6位だったがレー
ティングによる修正で5位になった。
長崎で一番長いレースは、いい風に恵まれ
て終った。