11日午前6時半
北東の風、風力5まであがる。2Pまで縮帆。
クローズドホールドなので20度くらいヒール。1,5mくらいのチョッピーな波で揺れがひどい。1ヶ月くらい乗っていなかったこともあって船酔いし吐いた。食欲はないが何かを腹に入れようとポットに残っていた白湯を飲むと気分が少し良くなった。明るくなってから緊張感が解けて眠気が襲ってきた。双眼鏡でまわりを見ても航行している船はないので、7時頃少しだけ体を休めようと横になると、そのまま寝てしまった。携帯電話の音で目覚めると8時だった。対馬の知り合いからの到着時間をたずねる電話だったが、この電話がなかったら、あと30分は寝ていただろう。
風力5の風の中、350度から0度の針路を保ちながら、6〜7ノットで走る。舵は自動操舵装置にまかせているが、ウェザーヘルム(ヨットが風上へ切りあがる性格)が強く、操舵に苦労している様子。波高は2メートル前後にまであがり20度前後のヒールで快適とはいえないが、風向きが変わらなければこのままの針路で対馬へ着くはずだ。
9時ごろ海峡東水道の中央を通過。対馬海峡とは九州と朝鮮半島の間の海のことだが、そのうち対馬より北側が西水道、南側が東水道とされている。11時ごろになって、ようやく対馬が見えてきた。入港予定の内院(ないん)漁港まで、このままの針路で行けないことはないが、海図によるとその沖に潮流の速い所がある。小潮ではあっても流される危険があるので、タックして東へ2マイル走ってから針路を元に戻した。波が高くオートパイロットを使ってタックしようとすると失敗する。
水深が浅くなっているのと潮流のせいか島に近づくにつれて波がさらに大きくなった。漁港の入り口にあるピラミッドのような形の島へ向けて走った。内院漁港は北へ切れこんだ湾の最奥にある。湾内に入ると海面はフラットになった。計画どおり13時半に到着。航行距離は73マイル。
内院沖2マイル