底引き網漁船を引き揚げ
この漁船は第2山田丸、113トンです。チェジュ島沖の漁場へ僚船と向かう途中、10人の乗組員とともに沈没しました。今月13日に水深150mの海底から引き揚げられて、一旦五島市沖で台船に載せられていました。
昨日、遺体捜索や海保と国土交通省の調査のため、長崎市福田崎沖まで運ばれてきて、船内から3人の遺体が見つかりました。これで、全員の遺体が見つかったことになります。乗組員は日本人4人と中国人6人でした。亡くなった方々のご冥福をお祈りいたします。
写真は今日撮りましたが、昨日見た時には前と後ろのマストに大きな網がかぶさるようになっていました。底引き漁船なので、積んでいた網が船が引き上げられる時にそうなったと思われます。しかし、船体に大きな損傷はないようでした。
第2山田丸が沈んだ1月12日は、さらくで壱岐から長崎へ向けての航海中でした。こちらは西彼杵半島沖で、事故のあった海域から100キロ以上離れてはいましたが冬場としてはさほど風も強くなく、事故があったと聞いて意外な感じがしました。
この事故に関して京都大学防災研究所から、異常に大きな波が立ったためにおきた可能性が高いというレポートが出されています。研究所のニュースレター5月号に掲載されました。その要点は、「事故の1日前から風と波が徐々に上がり、風速13m、有義波高2mとなっていたが周期が短く切り立った波になっていた。有義波高の2倍以上に達する異常波浪が立った可能性が高い。」というものです。研究所では、波高の分布、風向、風速、波向、周期などから最大波を予測するシステムを開発中とのことです。
第2山田丸の場合、大量の網を積んでいたため、その影響も考えられていますが、突然の大波が沈没のキッカケになったことは考えられます。(有義波高とは、波のうち高い方から三分の一の波の高さを平均したもので、天気予報で言う波高のこと)
経験上、強風になっても吹き始めのころはたいして波が大きくはないが、吹き続けている海に出て行く時は、かなりの警戒が必要であることはわかっています。しかし、突然襲ってくる大波までは予測できません。もし、この研究によって突然の大波が立ちやすい海域やその出現率がわかったら、航海の安全に大きく役立つことは間違いありません。この研究は、主に漁船の安全操業を念頭にして進められているのですが、私たちヨット乗りにとっても注目すべきものだと思います。

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