Le Photographe

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啓蟄の世に出たがりの鼻毛かな/山上樹実雄

 啓蟄(けいちつ)とは、二十四節気の三番目の節気ことだ。次の節気は春分。だいたい十五日ごとこの節気は替わる。「蟄虫(すもごりむし)戸を啓(ひら)く」らしい。これ以上敷衍するのは面倒なので、各位検索するなり辞典を引くなりして調べていただきたい。鼻毛は、年中世...
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春めきて心は外に向いてをり/小川龍雄

 久しぶりに昼休み外に出てみたらウメの花がどんどん花を咲かせていたし野草もどんどん花を咲かせ始めたようだ。空気は少々冷たくはあるけれども外を徘徊して事務所に戻る頃には温もって額に汗が流れていた。(そう言えば仕事で冷や汗ならあるけれども額に汗して労働というの...
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冬梅のひとつふたつや鳥の声/土芳

 節分前日関東地方は、朝から雪が積もって大変だ大変だとテレビが騒いでいた。雪国の人たちには、それがどうしたみたいな内容かもしれない。けれども大都会はこのような自然現象に脆弱みたいなので仕方がない。九州は、雪に対してもっと構え方が薄いのであっさり動かないとい...
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蝋梅を透けし日差しの行方なし/後藤比奈夫

 ずっと天候不良の上寒いこともあって昼休み事務所から外に出ることがなかった。けれども今日は、いい天気だったので外に出てみた。2018年になって初めてということになる。昼休みくらいは外に出て陽を浴びている方が精神衛生にもいいような気がする。
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山里や雪かしこき臼の音/蕪村

2018-01-11  10日の夜から雪が降っていて一夜明けた翌朝、自宅周辺が雪国みたいになってしまっていた。さてどうやってここから抜けて出勤したものかと思っていたところに自宅待機の連絡が来た。少しばかり自宅周辺をうろうろ。雪を踏みしめるとギュギュギュとあ...
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冬紅葉仰ぎひとりとなつてゐし/榊原池風

 何かの集団が後ろから追って来るような音がして振り向けば、冬将軍に命じられた斥候隊ではないか。思わず自分も駆けて逃げたくなってしまう。北風に吹かれて地面を駆ける落ち葉集団に追い越されてしまう。
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